M.O.F.をご存知ですか?

浦久俊彦事務所・広報担当の成田純子です。
今回は、フランスで出会ったフランス最優秀職人といわれる人たちのお話です。

通称M.O.F.は、Meilleur Ouvrier de France、すなわち「フランス最優秀職人」。
フランスが誇る手仕事に秀でた職人に与えられる名誉ある称号です。
今回フランスに来て、「最優秀職人」にお会いするまで、そんな存在があることも知りませんでした。身近なジャンルである「レストラン」部門だけでも、ピエール・ガニェール、ミッシェル・トロワグロ、ジョエル・ロブション、アラン・デュカス、ポール・ボキューズ‥と蒼々たる名前が挙がり、現在ミシュラン3つ星のレストランのシェフのほとんどがこのタイトル獲得者
最優秀と認められたほんの数人だけに授与される賞なのですが、日本でいう、いわば人間国宝のような存在とも。
対象となるジャンルは多岐にわたり、レストラン、ホテル、食品、建築、テキスタイル、皮革、木工、家具、金属加工、被服、宝飾、音楽関連、陶器、ガラス関連。さらにその下に枝分かれするような形で、石工、樽職人、革職人、楽器製造業、パン職人、パティシエなど、具体的に138の手仕事、専門職が指定されています。そしてこの栄えあるM.O.F.は、4年に一度、厳しい選抜によって 誕生しています。

さて、ブルゴーニュ地方にあるチュイルリー村を訪れ、浦久の親友でもある革職人のM.O.F.保持者・ピエール・ジェルベール氏(写真右上/左側)に会いに行ってきました。
革職人の中でM.O.F.に認定されたのは、これまでにたったの5人。しかもピエールがM.O.F.を受賞したのは32歳という若さで(写真左下)、今では現役は彼1人とのこと。

耐久性に優れる肉厚レザーを用いながら、運針に一切乱れがなく、コーナーの処理も自然で美しいバッグ(写真右下)。超絶な技巧だからこその縫製精度!

 

ピエールは、パリの有名メゾンの制作部門のチーフをしながら仕事を続けていましたが、15年前にこのブルゴーニュ地方の自然豊かな場所へ居を移し、古い農家を大改修してアトリエを作り、暮らし始めました。現在は、自分の名前を冠とした「Pierre Gerber」のバッグブランドを立ち上げ、日本では伊勢丹新宿本店で取り扱いがあります。
詳しくはこちら。
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/fashion/11890/12.html

フランス文化とその伝統を守り育てようとする意図からできたM.O.F.により、すぐれた職人が世界に輩出されただけでなく、フランスの文化の発展にも大きく貢献しているのですね。

ジェルベール家には、可愛い仲間がもう一人(写真下)。

  愛犬whippy

 

パリからはるばるやってきた我々のために、ピエールが美味しいお昼ご飯を作ってくれるようです。メニューはというと・・・暖炉の火で焼く「ラムチョップ」(写真左下)!
これ、絶対美味しいですよね(笑)。

実に10年ぶりに会う二人でしたが、思い出話に花も咲き・・・。

何やら話し込んでいます  (笑)     

もう一人の主役がこちら、ピエールのパートナー・ジュヌビエーヴ嬢(写真下/左側)。

 ピエールの弟子でもある彼女

今回、このチュイルリー村へやってきたのは、明日行われるピエールとジュヌビエーヴの結婚式に出席するためでもありました。暮らし始めて15年で入籍を決めた二人に、明日は素敵な思い出の結婚式になりますように!